ハナヤスリタケの研究について
東京医科歯科大学理学博士 金城典子先生
東京医科歯科大学理学博士 金城典子先生

冬虫夏草との出会いは私を研究者としての道を開き、そして中国への道へと開いてくれた。椎茸、松茸、舞茸など通常キノコの代表格は担子菌の仲間であるが冬虫夏草は清酒やパンを発酵させる酵母の仲間なのです。 酵母の仲間なのにキノコ状の子実体をつくり自己アピールするかのような菌類に魅力を感じたのは私だけでは在りませんでした。日本国内や中国の多くの共同研究者によって菌株の純粋分離培養、発酵生産、物質の決定がなされ中国古来の伝承を裏づけることが出来ました。

ハナヤスリタケは女性に対する作用のあるキノコとして中国漢方辞典である「中華本草」に掲載されており女性として私は見逃すことが出来ない菌株の一つでありました。私達の研究グループはこのハナヤスリタケを日本国内で発見し世界でも初めて菌株純粋分離培養に成功、これまで出来なかった大量培養にも成功することが出来ました。そして、この記載を裏付ける実験結果が共同研究者であります静岡大学 河岸教授のグループにより得られました。女性ホルモンであるエストロゲン様物質2成分が発見され学会発表致しました。 ハナヤスリタケを特殊条件下で培養して得られた製品は動物試験により安全性を確認されております。そして更年期障害を持つ多くの女性ボランテアによって眩暈、のぼせ、冷え性や肩こり等の諸症状の改善効果が得られご利用い頂いておりますが、成分の推測効果として男性の更年期症状とも言える前立腺肥大や前立腺癌などにも効果的であろう多くの男性に治験を求めたところ別紙の様に予想以上の改善効果が認められました。

中国では古くから皇帝の秘薬として利用されてきましたが、近年のバイオテクノロジーの発展により身近なものとして私たち庶民にも利用出来るようになったことはこの上ない喜びです。また健やかな日常生活維持の一部でも貢献出来ることに共同研究者への感謝と今後の更なる研究の発展を祈念しております。

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